物忘れ・認知症外来

forgetfulness・dementia outpatient

当院では物忘れ・認知症外来を設けております

下記のような症状はございませんか?

  • ・ 何度も同じことを言う
  • ・ 探し物が多い
  • ・ 怒りっぽくなった
  • ・ 物を盗られたと思い込んでしまう
  • ・ 時間や場所がわからなくなる
  • ・ 慣れた作業ができなくなる
  • ・ 興味や意欲が低下する
  • ・ 性格や行動が変化する
  • ・ お金の管理が難しくなる
  • ・ 身だしなみに無頓着になる

このような症状を認める場合、軽度認知障害である可能性があります。
軽度認知障害とは物忘れをはじめとした認知機能低下がみられるものの認知症には至っていない状態、いわゆる認知症の「予備軍」です。
厚生労働省の発表では、2012年時点でこの軽度認知障害と推定された患者数は約400万人とされ、認知症と推定された約462万人の方々と合わせると、実に65歳以上の4人に1人が「認知症あるいはその予備群」ということになります。また2015年の厚生労働省の発表では、団塊世代が75歳以上となる2025年には更に人数が増え、認知症患者数は700万人になると予測されており、MCIも同数程度と見込まれています。
軽度認知障害から認知症に移行する確率は、5年以内に約50%と言われていましたが、国立長寿医療研究センターが行った研究によると、4年間で46%もの人が「正常」に回復した(認知症移行率は16%)と報告され、軽度認知障害の回復可能性が示唆されました。

治療の流れについて

まずは問診で物忘れをはじめとした症状の経過や、その他に不眠、不安、気分の落ち込みといった認知機能を低下させうる症状がないか伺っていきます。その後、必要に応じて血液検査や神経心理検査を行わせて頂き、場合によってはCTやMRIなどの画像検査を総合病院と連携し行っております。(当院は海南病院の連携医院となります)

  • 主な認知症のタイプ

    • アルツハイマー型認知症
      認知症全体の約6割を占めており、最も典型的なタイプとなります。記憶力の低下が主な症状となります。
    • 脳血管性認知症
      過去の脳梗塞や脳出血などが主な原因となり、さらに高血圧や糖尿病といった生活習慣病が悪化要因となることがあります。
    • レビー小体型認知症
      発症初期に幻覚や妄想といった精神症状を生じることが多く、そのために内科ではなく精神科にいらっしゃるケースが多いです。また手の震えや顔の表情が作りにくくなるといったパーキンソン症状を伴うこともあります。
    • 前頭側頭型認知症
      怒りっぽくなった、無頓着になった等、性格変化を家族が気付いて受診されるケースが多いです。記憶力の低下はあまり目立たないことから、この病気が見逃されてしまっている可能性があります。こちらも初期段階に精神科医が対応することが多くあります。
    • その他(治療可能な認知症)
      頭部外傷後の慢性硬膜下血腫、水頭症、脳腫瘍、ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症、老年期うつ病 etc
  • 治療・認知症予防について

    高齢者においては家族と同居していても、日中は1人でいる時間が多いといった孤独な状況に置かれている方も多く、対人関係の減少が認知症リスクを高める可能性があると言われております。そのため当院では対人交流機会を増やすため、ご自宅への訪問看護師の派遣を提案することがあります。(公費制度を導入することで、費用負担は少なく済みます)

    ほか認知症への移行リスクとしては、やはり「不眠、不安、うつ傾向、意欲低下」といった抑うつ症状が挙げられます。この点につきましては精神科専門医である当院医師が、依存性がなく、耐性も生じないお薬を選んで処方することがあります。西洋薬への不安がある方には漢方薬を選択して頂くことも可能です。

    また前述したアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の患者様には、保険適用で抗認知症薬を処方することも可能です。効果としましては図にある通り、未治療の場合と比較すると「認知症の症状進行をある程度の期間、遅らせることが出来る」といったものとなります。詳しくお知りになりたい方は、診察時に医師までお尋ねください。

    当院では精神科専門医、認知症診療医である医師が対応しますので、ご不安な症状がございましたら、お気軽にお問い合わせください。